施設ケアマネと居宅ケアマネの違い|仕事内容・給料・働き方を転職前に整理してみた【転職連載②】

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「施設と居宅、結局どっちがいいんだろう」

施設ケアマネとして働きながら、一度はこの問いにぶつかったことがあるのではないでしょうか。私はこの問いに数年モヤモヤし続けて、今年、答えを出しました。

こんにちは、ケアマネパパです。介護業界歴約20年、施設でケアマネ兼相談員として働く一児のパパです。前回の記事に書いたとおり、2026年9月に居宅介護支援事業所へ転職します。

今回は予告どおり、転職を決めるにあたって私が自分なりに整理した「施設ケアマネと居宅ケアマネの違い」を、仕事内容・給料・働き方の3つの面から書きます。

この記事で分かること

  • 施設ケアマネと居宅ケアマネの「仕事内容・給料・働き方」の違い
  • 給料は「平均額」より「構造」で比べたほうがいい理由
  • 自分はどっちに向いているかを判断する場合分け

先にこの記事の「立ち位置」を正直に

大事なことなので先に書いておくと、私は施設側は5年の実体験、居宅側はまだ「転職前の調査と見学」の段階です。

施設と居宅の違いを解説する記事はたくさんありますが、その多くは転職サイトの一般論です。この記事は「これから居宅に飛び込む施設ケアマネが、退路を断つ前に本気で調べて整理したメモ」だと思って読んでください。

そして居宅の実際については、入職後の連載(第6回以降)でこの記事の答え合わせをします。「調べた話」と「やってみた話」がどれだけ違うか——それもこの連載の見どころにしてもらえたら。

違い1: 仕事内容——「担当100人の兼務」と「担当44件の専任」

施設ケアマネのリアル:ケアマネ業務は「業務の一部」

施設ケアマネの配置基準は、入所者100人に対してケアマネ1人が目安です。つまり単純計算で、1人で最大100人分のケアプランを持ちます。

「100人も!?」と思われそうですが、実際は毎日顔を見られる入所者さんのプランなので、居宅のように毎月全員の自宅を訪問するわけではありません。回るには回ります。

問題は、前回書いたとおり、ケアマネ業務”だけ”をやっていられないことです。送迎、事務所対応、現場ヘルプ、相談員業務。施設のケアマネは「施設の職員」としての動きが常にセットになります。

居宅ケアマネのリアル(調べた側):ケアマネ業務が「仕事のすべて」

居宅ケアマネの担当件数は、1人あたりおおむね44件まで(ケアプランデータ連携システムの活用など要件を満たす事業所では49件まで)という上限が制度で決まっています。

件数は施設の半分以下。そのかわり、利用者さんは地域に散らばっていて、毎月のモニタリング訪問で一軒一軒回ります。アセスメント、サービス担当者会議の開催、多職種・事業所間の調整、そして施設ケアマネにはない給付管理(毎月の実績確認と国保連への請求業務)

見学と面接で話を聞いた率直な印象は、「業務の種類は居宅のほうが多い。ただし、その全部が”ケアマネの仕事”」。私が居宅を選んだ理由そのものでした。

実務面の最大の壁は「給付管理」

施設ケアマネから居宅に移るとき、経験者が口を揃えて「最初の壁」と言うのが給付管理です。私もここが一番の未知数で、正直いまも勉強中です。このあたりは入職後、リアルタイムでレポートします。

違い2: 給料——平均額より「構造の違い」を見る

まず公的データから

厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査によると、介護支援専門員(月給・常勤)の平均給与額は375,410円(令和6年9月時点)。前年から11,650円増えています。

ただ、この数字は施設も居宅もひっくるめた平均です。転職の判断材料として大事なのは平均額より、「どこから給料が出ているか」という構造の違いだと私は思います。

施設ケアマネの給料の構造

  • 施設の給与体系に乗るため、夜勤・宿直手当やオンコール手当が付く職場がある(そのぶん負担もある)
  • 介護職員向けの処遇改善加算の配分が、事業所の判断でケアマネにも回ってくる場合がある
  • 兼務が多いぶん、「何の手当で評価されているのか」が見えにくいことも

居宅ケアマネの給料の構造

  • 居宅介護支援事業所は処遇改善加算の対象サービス外。ここは正直、構造的に不利な点です
  • そのかわり特定事業所加算を取っている事業所は、体制・待遇が手厚い傾向。求人を見るときの一つの目印になります
  • 主任ケアマネ・管理者へのキャリアの道がまっすぐ通っている。長期的に給料を伸ばす道筋は居宅のほうが描きやすい、というのが私の結論です

私の場合

結論だけ先に書くと、今回の転職で提示された条件は、現職とほぼ同水準でした。

「居宅は処遇改善加算の対象外だから給料が下がる」とよく言われますし、構造的にそれは事実です。ただ、施設で積んだ経験と資格をきちんと評価してくれる事業所を選べば、同水準での移籍は現実的に可能——これが私という一つの実例です。

条件面をどう確認し、どう話したかの詳細は、第4回(面接・見学編)で書きます。

違い3: 働き方——「施設の時間」で働くか、「自分の組んだ時間」で働くか

施設ケアマネ

  • 施設のシフト・行事・現場の状況に、自分の予定が左右される
  • 通勤は施設の立地次第。私は片道約1時間でした
  • 利用者さんとは毎日会える。逆に言うと、職場に行けば必ず全員がいる世界

居宅ケアマネ(調べた側)

  • 訪問スケジュールを自分で組む。月末月初は給付管理・実績で忙しく、中旬は訪問中心、という月のリズムがある
  • 事業所によっては直行直帰やテレワークの活用も。ここは求人・面接で確認必須
  • 緊急の電話対応はある。「担当利用者さんの入院連絡が休日に来る」という話は見学でも聞きました。フリーではないが、時間の裁量は施設より確実に大きい

私にとってこの「裁量」は、前回書いた「子どもと過ごせる時間が1日3〜4時間」問題への、いちばん現実的な解決策でした。

で、結局どっちがいいの?

数年モヤモヤした私の結論は、「どっちが上かではなく、どっちが今の自分の優先順位に合うか」です。

  • 現場のチームケアが好き・利用者さんと毎日顔を合わせたい・夜勤手当も含めて稼ぎたい → 施設が合う
  • ケアマネの専門性を突き詰めたい・主任ケアマネを目指したい・時間の裁量がほしい → 居宅が合う

私は後者でした。ただしこれは「転職前の私」の整理です。入職後にこの表がどう書き換わるか、連載で正直に報告します。

次回予告

第3回は、この連載でいちばん書きたかったテーマのひとつ。「2回の転職を比較する」——令和3年の転職(エージェント経由)と、今回の転職(直接の打診)。両方経験したからこそ分かった違いを書きます。

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